第1回 まちを市民がデザインする

 

UDCKまちづくりスクール第1回 2009年6月10日(水曜)

 

講師 北沢猛 ( 東京大学大学院教授/UDCKセンター長 )
工学博士,1級建築士,建築主事資格
アーバンデザイン研究体会長、横濱まちづくり倶楽部副会長

 

▼18:30~

まちづくりスクール2009の概要説明・・・丹羽由佳理(UDCKディレクター)
2009年度春コース(基礎講座)について概要説明を行い、参加者の積極的な取り組みを訴求。続いて、第1回講座内容及び進行予定をコメントした。

▼18:35~

UDCKの役割・・・前田英寿(UDCK副センター長)
UDCKを当地域まちづくり推進の為に協働する場として活用してほしい。

▼18:40~

講義「まちを市民がデザインする」

<講義のポイント>


1.今日の「まちづくりスクール」には、46名が参加しているが、市民・行政関係者・学生が各々3分の1というバランスの取れた構成内容となっている。


2.「まちづくり」は日常的に使われはじめ、幅広い意味を持っているが、本スクールの狙いとする「まちづくり」とは、「使いやすく、楽しめる環境・場所」の創造を考えていくところとしたい。


3.まちづくりの動きとその基本的考え方
1980年代から始まった「都市計画」の中で「地区計画」が進み、住民は公聴会に参加
という形から急速に「市民参加=市民が主体のまちづくり」の動きへと活発化してきた。


<まちづくりを推進する市民と組織体>
4.まちづくりの主体
「まちづくり」の為には、民間(市民・企業)行政・議会の三者がトライアングルとなって進められることが肝要であり、また選挙で選ばれた「市長」がイニシアチブをとることで そのリーダーシップは欠かせない存在


5.「柏の葉国際キャンパスタウン」構想
「環境・健康・創造・交流の街」の基本コンセプトに基づく公民学連携のまちづくりプラン。平成20年3月、柏市・千葉県・千葉大・東大4者共同事業としてまとめられ発表。環境・産業・国際・交通など8つの目標から構成されている。
(詳細下記URLご参照)http://www.city.kashiwa.lg.jp/notice/kashiwanoha_campus/top.htm

 

6.「市民がまちをデザインする」具体的な事例の話
(1)”ブータン王国”の集落・・「自然と歴史と文化と人と生きる」人口70万の国 国が目指す目標は「国民総生産GNP」ではなく、「国民総幸福GNH」 Gross National Happiness こそが国家目標―1997~1998年の調査 「幸せですか?」という問いかけに対して、今日の受講者のうちYes と回答者30%ブータン王国では97%の人が「Yes!幸せです!」と応える
(2)身近な環境の中で、小さなことから始めた「小さな集落の挑戦」
岩手県三戸市浄法寺町門崎の「むらづくり」の事例:総勢19世帯が自ら力を合わせ「田植え」「蛍鑑賞」「鉱泉ライン敷設」「都市との交流」など様々な「むらづくり」に挑戦し、活性化を実現している好事例
(3)自然との共生をベースに「新田集落づくり」に取り組んだ地域起業の事例
鳥取県八頭郡智頭町新田地区「人形浄瑠璃の館」 :総勢17世帯が地域起業を目指し、「小さな自治政府」を構築。地域まるごとNPO化。「自分達のことは自分達で解決する」という姿勢で取り組み「まちづくり」においては、自ら主体的に参画することが大事。プロセスを楽しみながら進める。

▼19:45~

テーブルを囲み、参加者全員で懇親の集い
丹羽ディレクターの司会で、参加者が一人ひとりが「自己紹介」「ワンポイントスピーチ」実施参加者の気持ちが一つに集約されたような盛り上がりを見せ、大好評!教授の話を聞くだけの一方通行ではない参加者の「参画意欲」が良く現われた集いであった。参加者の中には、中国留学生、大阪や浦安など他地域からの人、都市計画担当者、まちづくりを研究している現役大学生、老若男女様々な年齢層の人がいて交流が進んだ。


▼アンケート内容分析 ー 

第1回 : 回答者数:35名(男性26名、女性9名)
参加者全員から内容の濃い、かつ読み応えのあるアンケート回答書が寄せられた。

1.まちづくりの基本 12名
2.事例:「小さな集落の挑戦」 15名
3.事例:ブータン王国の「幸せ」 11名
4.市民の主体的参加の重要性 8名
5.「プロセスを大切に」という考え方に共感  5名
6.具体的まちづくりには課題も多い  3名
7.交流会の楽しさ 1名

 


<コメント>
まちづくりの基本的考え方が理解できた、ヒントを教えられた。(1,4)また、「まちづくり」は市民が主体的に考え行動し、プロセス・仕組みをデザインしていくこと、という考え方に共鳴(1,4,5)「小さな集落での挑戦」「ブータンの幸せ」など具体的事例に感心(2,3)交流会がとても楽しく、有意義だったという意見も多数寄せられた。 一方、時間が短くてもっと掘り下げた話が聞きたかったという要望もあった。