第4回 行政と市民の協働
UDCKまちづくりスクール第4回 2009年7月22日(水曜)
▼18:30~
第3回まちづくりスクールのふりかえり・・・UDCKディレクター 丹羽 由佳理
第3回まちづくりスクールのふりかえり・・・UDCKディレクター 丹羽 由佳理
2009年度まちづくりスクール第3回の記録をもとにふりかえり、ポイントを説明。特に今回は、受講者からの質問に対する講師の回答を記載した資料を配布。また次回が前期スクール最終回となり公開シンポジウムを開催するので、多くの人の参加を呼びかけ。続いて、第4回の講座内容及び進行予定をコメントし、講師お二人を紹介。
▼18:40~
講義Ⅰ:「行政と市民の協働」・・・細江 まゆみ氏 (柏市役所 公園緑政課)

<講義のポイント>
1.イギリス・ケンブリッジ St Andrew the Great の事例
この教会が多くの市民の交流の場となっている。教会側も最新式の設備を導入したり、子育て世代に配慮するなど、礼拝等の参加者の獲得に意欲的である。礼拝が終わったあと、参加者がすぐに帰ってしまうのではなく、しばらくコーヒーや紅茶を飲みながら思い思いに雑談をしており、教会が様々な年代の方達の交流の場として使われている。我が国では、近所づきあいが希薄(国土交通省白書2009)、スクラップ&ビルト方式よりむしろ「古い建物をうまく活かして使う」といった工夫が必要なのではないか。
2.身近な柏市の事例をもとに「行政と市民の協働」のあり方を考察
(1) 「公園緑地再生が必要となった背景」
①里山が燃料源(薪炭林)としての機能を失う
②犯罪の温床、ごみ問題、落ち葉、倒木、生物多様性の劣化
④地主や行政の負担増、⑤一方で活動を希望する・また活動している市民の存在
⑥そこから、「市民と行政が協働」で公園緑地の再生に取り組む動きへと続く
(2)市民で育てる100年の森「こんぶくろ池の再生」
近隣の動植物が絶滅の危機にさらされ、整備されていないままであった「こんぶくろ池」を再生しようと、平成7年千葉県環境会議で提言があり、柏市の「緑園都市構想」のもと基本計画が出て、17年ボランテアを募集、18年から調査隊・里山隊・ボランテアが再生活動を開始した。「植物調査」「ササ刈り」はじめ、「園路位置決めWS」などの活動を通じてこんぶくろ池と周辺の森の再生を行っている。柏市内にはその他にも「緑地の持つポテンシャル」を活かす市民活動が展開されている。

▼19:00~
講義Ⅱ:「市民と行政の協働によるまちづくり」・・・永井 ふみ氏 (石黒計画デザイン事務所)

<講義のポイント>
「様々な主体の様々な意見を出し合い、調整し、創造的な議論をすることにより、より良いまちづくりの解が導き出される」、その「場」の存在が「協働によるまちづくり」のキーとなるということに着眼して、公共的な空間にスポットを当てた3つの具体的事例(フォーラム)を通じて「協働」を考える。
○三つのフォーラムの共通点
①市民と行政が信頼関係を築き上げた上で「協働」していること
②「開かれたオープンな場」の提供を通じて、新たな人材の発掘、参加者の裾野の拡大を図っていること
③まちづくりに対して「共通の目的」を持った人たちが集まる場を提供していること。そこで総合的・戦略的まちづくりが進んでいる。
④課題解決や目標実現に向け、活動を起こせる場となっていること。参加者それぞれが知恵と労力を出し合い、主体的に参加する

○三つのフォーラムから見る「協働」とは
①ひとつのすぐれた協働は、総合的なまちづくりの解決・創造のきっかけを生む
②まちづくり全体の展開の見通し、将来像の中で、「協働」の意義や可能性をそれぞれの現場で考えることが大切である。=現場主義
③「協働」とは、「参加者間の信頼」と「自己実現」に根ざした、「それぞれの立場や視点が活かされる創造的な関係」のことを意味する。=ソフトな場つくり、言い出しっぺ制によるアクション、行政側の「引継ぎ」の重要性
=市民が主役、つぶやきや一人ひとりの思いを大切にする

▼19:50~
質疑応答
その後、細江、永井両講師に対する積極的な質問が相次いで出された。主な内容として①まちづくりに取り組んだきっかけ、②市民と行政の信頼感構築までの苦労・工夫、③公民館事業のあり方、④こんぶくろ池関係、⑤ケンブリッジ事例、⑥同一意識の集約 など。
▼アンケート実施
今回も参加者から内容の濃い、かつ読み応えのあるアンケート回答書が寄せられた。
アンケート回答者数 27名(男性20名、女性7名)
1.行政と市民の信頼関係に関すること 9名
2.市民の意見を反映した協働 7名
3.実行力、自己実現に関すること 5名
4.紹介された各事例に関する意見 4名
5.現場の重要性、現場主義 2名
6.制度作りなど 2名
7.その他(苦労話、質問など) 3名
<コメント>
市民と行政が信頼関係を構築し、ひとつの目標に向って「協働」してまちづくりに取り組む姿勢に共鳴した、が大半の意見。市民の意見の集約、実現のプロセス事例を評価する意見も多い。また、前回同様アンケートを通じた質問も多く寄せられている。