第2回 「環境健康都市宣言」 柏の葉のまちづくり

 

UDCKまちづくりスクール第2回 2009年11月18日(水曜)

 

講師 栗生明氏(建築家・千葉大学教授)
略歴

1973年  早稲田大学大学院建築計画修士課程修了
1973年  ㈱槇総合計画事務所入社
1979年  ㈱都市建築設計事務所Kアトリエ設立 
1983年  文化庁委嘱芸術家在外研究員として一年間渡欧
1987年  ㈱都市建築設計事務所Kアトリエを㈱栗生総合計画事務所と改称
1992年  千葉大学工学部建築学科助教授就任
1996年  千葉大学大学院工学部教授

2007年  千葉大学大学院工学研究科教授

 



▼19:00 ~
まちづくりスクール2009秋コースの説明

・・・UDCKディレクター 丹羽 由佳理

2009年度秋コースについて資料配布し前回のおさらいを行い、続いて本日配布した資料の説明。その後、第2回講座内容及び進行予定をコメントした。

▼19:10~
講義「環境健康都市宣言」 柏の葉のまちづくり

・・・栗生明氏(建築家・千葉大学教授)


<講義のポイント>


1.「環境と健康」がテーマとなった国際会議 
(1)1992年国連地球環境開発会議(リオ)が契機となり、「破壊してきた環境を取り戻すための「気候変動枠組み条約」、「生物多様性条約」などが締結され、「持続可能な発展」Sustainable Developmennt がキーワードとなった。27項目の原則が国際的合意となり、地球規模で「健康」と「環境」の関係が語られた
(2)21世紀には「環境と健康」が最大のテーマとなったが、我が千葉大学にもこのテーマに 基づき千葉大学環境健康フィールド科学センターを設立した。古在前千葉大学長は大学のあるべき姿を「グローナカル・ユニバーシティ」と表現した

Glonacal=Global(地球)+National(国家)+Local(地域)を一体とした造語

2.柏はどんなところか
「建築家は詐欺師」という逆説的な話からすれば柏は東京の鬼門の方向に当たるが、東京の縁にも当たる。都市の鬼門として京都における比叡山・延暦寺、江戸における東叡山・寛永寺があるが、いずれも都市発展の要の役割を果たし、その時代の先進的なまちづくりの担い手となっていた。東京の裏鬼門に当たる田園調布がGarden City(田園都市)であるなら、我が柏はGardening City(園芸都市)といって良いのではないか。その先につくば研究学園都市があり、日本最初の原子力発電所東海村がある。柏市の位置は方位学的観点からも先進的なところではないか。

3.千葉大学環境健康フィールド科学センターの取り組み当センターは医学、薬学、看護、教育、園芸各学部共同で成り立っており、各学部の専門分野から、新しい先進的試みを打ち出している。 「園芸技術と医療技術の融合」を具現化し「21世紀型の環境医療のモデルタウン」を目指している
Ex.漢方薬中心の医療、センサリーガーデン、園芸療法、予防医学等々
○「ケミレスタウン」はシックハウス症候群、アトピーなどアレルギー疾患の予防と治療を目指した実証実験施設として活動している

○「スポーツによるコミュ二ティづくり」として、試行錯誤しながら「クライミングウォール」をららぽーと柏の葉の一角に構築したが今や人気のスポットとして活用されている。

 

4.柏の葉国際キャンパスタウン構想
柏市と千葉県、千葉大学、東京大学の4者が共同し、平成20年3月に構想としてとりまとめたもので公・民・学連携による「次世代環境都市」、「国際学術研究都市」を目指す8つの目標から構成されている。
○キャンパスタウンでの様々な社会実験
*ケミレスタウンプロジェク  
*ベロタクシー
*自転車ワークショップ  
*八重桜並木設置協議会
*オンデマンドバス  
*イノベーションデザイン研究機構
*カレッジリンクコミュ二ティ

「環境」と「健康」はコインの裏表の関係
「食」と「農」がそれぞれ深く結びついている4つの関係に共通するキーワードはLifeでもバイオでもない。「いのち」であろう

5.BUNKYO GREEN MAP
都市の緑はその地域のブランドになる「自然を感じる周辺環境」の項目で文京区は23区中トップの票を集めている緑被率は23区中8番目にとどまっている文京区の緑は物理的な「量」よりも人間に実感させる「質」において優れている多くの人間が生活し、人工的構築物で溢れる都心において、緑はヒートアイランド現象の緩和効果だけでなく、日々暮らす人を癒し安らぎを与える価値があると考えられる
重要なのは「都心の自然」
文京区の緑のプランィデングの目的は、①地域の社会的認知度の向上、②好感度の獲得、③モチベーションやモラルの向上を目指していると言えるのではないか。

6.文京ブルーマップ
「水環境」をテーマに区内の水に関する風景、現象、物件を見ていくと面白い。また、「カラーバス(Color bath)」即ち色を浴びるように観察すると興味深い駐車場パーキング表示、メトロマーク、うなぎやの看板、湯島聖堂の旗、歯科医の表札、ごみネット、清掃事業車、ブルーのタクシー等々ブルーカラーの物体が多く見られる

▼20:20~
質疑応答
「鬼門、陰陽道」、「ALWAYS:続三丁目の夕日の映画」などについて、受講生から積極的な質問が出された。「鬼門の方向にある都市」に発展の鍵がある」という逆転の発想も面白いのではないか、といったやり取りがなされた。