(レポート)2010.07.17 未来の住まいフォーラムin柏
2010年07月17日(土)
日時:2010年7月17日(土)10:30~17:00
主催:
東京大学公共政策大学院I2TAプロジェクト
柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)
住まいに係わる多様な先進技術は、少子高齢化や価値観の多様化に対応した新たな住まい方を可能にする一方で、技術導入に際してはプラス面だけではなく、マイナス面の影響についても広く考慮する必要があります。「未来の住まいフォーラムin 柏」は、柏における未来の住まい像はどのようなものか、そして、それを実現する先進技術が生活に与える影響はどのようなものか、市民や多分野にわたるゲストとともに考えることを目的に、東京大学公共政策大学院I2TAプロジェクトとUDCKが共催したものです。
I2TAプロジェクトとは、先進技術の社会影響評価(テクノロジーアセスメント)手法の開発と社会への定着を目的とする活動で、これまで様々な先進技術の社会的影響を分析し、その対応案を提示してきました。本フォーラムでは、特に「住まい」に係わる先進技術をテーマに、市民との対話を通じてニーズの把握やこれに対応する技術の評価を行うため、現在、大規模な開発が進む一方で、高齢化という大きな問題も抱える柏市を対象エリアとし、公民学連携の拠点としてUDCKが企画・運営に携わりました。
フォーラムの前半では、高齢者、子育て世代、留学生を想定した未来の住まい像として、「農的な暮らし」、「オール電化」、「シェア住居」など、新たな価値観とそれに対応した技術導入などへのヒントが提案され、ゲストや市民とのディスカッションを通じて、実際に柏市で展開する可能性や課題について議論が行われ、これからの住まい像を考える上での様々な視点が提起されました。
後半は、住宅に係わる最新のテクノロジーが紹介され、住まいのタイプに応じた技術導入のあり方をワークショップによって考えました。ワークショップでは、体験談に基づいたエピソードやユニークなナノテクの利用法なども出て盛り上がり、住まい像やそれぞれの志向性が、各技術にどのように影響するのか、今後の技術マーケットを考える上でも興味深い結果となりました。
午前午後を通じたまる一日のプログラムでしたが、これからの「住まい」のあり方、これに係る「技術」が日常生活に与えうる様々な影響、その上での「技術」というもののあり方を改めて考えさせられる、密度の濃いフォーラムとなりました。